【脱サラ就農5年目~2018年農業経営まとめ~】
新規就農5年目の12月も終了です。
結果からご報告させていただくと、おかげさまで今年もなんとか2018年度の売り上げ目標を達成することができました。
★5年目売上高【計画】
6,000,000円
★5年目売上高【実績】
6,017,298円(予算達成率103%、前年比約120%)

以下長文となりますが、振り返りの一部です。
気興味のある方はお付き合いください。
【良かった点】
・相変わらず雇用に頼らず、兼業農家の副社長(妻です)と二人で計画を達成したこと。
・「毎週月曜日を半休」を完全取得したこと
・個人宅配のお客様が増えたこと
・飲食店様のお取引が増えたこと
・直売所への出荷量を頑張って増やせたこと
・18馬力トラクター(160万円)を購入できたこと
・マルチャー(50万円)を購入できたこと
・玉ねぎが豊作であったこと
何より個人宅配のお客様が多少の入れ替えはあるものの、年々増えてきているのが嬉しい。ついに1か月のセット数が100セットを越えた。飲食店様もほとんどが毎年継続でご利用いただけてありがたい。
さらに今年はご近所で前から気になっていたレストラン「フローリア」さんと野菜のお取引が始まったことも嬉しい。
直売所への出荷はなかなか手が回らず、毎年1店舗のみ不定期で出荷していたが、今年は頑張って2店舗へ比較的長期間継続して出荷することも頑張った。
結果として売り上げ増に寄与。八百屋さんに関しては現状維持でこれ以上お取引先を増やさないと決め厳選してお付き合い。ただし11月に京都から軽トラで畑に来た方はその情熱に心打たれ、お取引開始。「八百屋一期一会」様、また面白い方との出会いができました。
【課題点】
・販路は増えましたが、生産は相変わらず想定通りにはいかず野菜不足。
・毎年の課題であるが1月~4月の農産物が少ない(期間中売上40万円弱)。
・7月、8月の猛暑と干ばつで「ナス。ピーマン」失敗。
・7月、8月の猛暑と干ばつでキャベツ、白菜、カリフラワーなどの苗づくり失敗。
・8月実施予定のギフトは今年も実施できず。事前準備は冬にやらねば間に合わない。
・9月の台風で葉物野菜がほぼ全滅。
・12月の年末ギフトの事前準備が遅れたため、案内も遅く、計画数を販売できず。
・同時期に揃えられる野菜の種類が少ない(常時20種類以上が目標)。
今年は5年目ということで、初年度からの推移も分析してみました。

初年度があまりにも低い計画から始まっておりますが、毎年「昨年の自分に勝つ」というのは厳しい戦いであり、毎年「限界からあと一歩」の気持ちで駆け抜けている次第です。
そんな中、年間目標を定め、ブレイクダウンして日々の目標を意識して行動することで、結果として夢に近づく。前職でたたき込まれた手法が間違いなく役になっております。ありがとうございます!
さて年々上がる計画に対して、だんだんとそれを越えていくことは困難ですが、成長する努力を止めたら成長は止まるので、達成するためにあれこれと頭をひねりつつ、
いつも考えていることを改めて整理しながら、来年に向けてすぐに動き始めたいと思います。
売上を上げるためには以下の行動が必要だと思われます。
① 売り上げ単価を上げる
② 作付け面積を増やす
③ 生産性向上
④ 野菜の生産以外の新規義業を立ち上げる。
最も簡単な方法が①であるが、この選択肢はない。
農園の理念の一つに、
“美味しくて健康的な旬野菜を気軽に食べられる世の中に貢献する”
という項目がある。
有機野菜だから価格が高いのが当たり前ではなく、日常的に利用して意味のあるものであるから、品質を高めつつ、できるだけ価格を安くしたいというのが一般庶民の味方、農場長の想いである。
確かに手間や販売方法の非効率さを鑑みると、どうしても一般的に流通する野菜のように価格を抑えるのは難しいのも事実である。そこを努力と工夫と根性でコントロールするのが経営手腕だと強がり続けます。
②に関しては、私の地域において、自分たちの条件に合う畑を借りることは簡単ではない。自分でコントロールすることが困難な部分である。
したがって、自分次第で何とかなる③と④を日々模索し続ける。
➃は応用編として一旦保留して、まずは百姓として「生産部門」での基盤を固めることが重要である。したがって、今年も③の「品質を落とさずにいかに生産性を向上させるか」を最重要課題として取り組みました。
生産性を上げるためには、「雇用」によってできることを増やす方法が最も簡単ではありますが、ストイックな農場長は「雇用」に関しては除外。まずは自助努力で生産性を上げていきたいと考えています。今の条件でどれだけ「昨日の自分を越えられるのか」。難しい課題だからこそ挑戦したくなります。そして今年、農場長には秘策がありました。それは「機械化」です。新規就農してから今まで割と原始的な道具と手法で戦ってきました。1年目は土を耕すのに「鍬」、草を刈るために「草刈り鎌」。それから売り上げが上がるごとに少しづつ便利な道具を導入し、今年はついに「18馬力の新車トラクター」と「管理機タイプマルチャー」という高額な機会を購入することができました。これにより、作業時間の短縮が実現し、結果として売り上げを過去最高額に伸ばすことができたと思います。
それと並行して、生産性を上げる方法として、一見反対の方法を実践しました。それは「労働時間を減らす」ということです。昨年より「毎週月曜日は半休」という制度を導入し、今年も何があってもこれを守り、かつ、猛暑が続く夏の日々はできる限り午後は仕事をしないようにしました。このことにより、疲労の軽減と、限られた時間しか作業ができないということで、逆に働く時間をより集中して大切に使うようになったと思います。
そういうわけで、「機械化」と「労働時間の制限」という方法で昨年よりも生産性を上げることができました。
今年も特に目新しい挑戦はせず、愚直に野菜たちと向き合った1年。
いつも意識していることです重要なこと。
「売上は農業をする上の第一優先ではありませんが、お客様に美味しくてワクワクする野菜を提供するために必要な資源として、損益分岐点を死守することは事業を営む者の責任」だという認識です。
今年目標とした数値600万円は損益分岐点よりも少し上の数値。
のはずでしたが、結果的に資金面ではギリギリとなってしまいました。その原因は、配送料と資材、原油価格の高騰もありますが、お取引先様やお客様が増えることで、お付き合いのための資金も増えるということでした。しかしながらこれは必要経費。とにかく来年は経費の使い方をもう少し意識して、無駄のないようにやりくりしたいと思います。
売上は「ありがとうの数」
利益は「夢を実現させるための手段」
来年は売上高目標670万円として、贅沢は望みませんがお金に縛られず、自分の器を一定に保ち、その器からあふれたお金をお客様や自分以外の方還元できるような農園でありたいと思います。あふれるのはいつになるやら~。
凡人でもなんとか農業経営を続けられる、という一つの参考事例になれば幸いです。
来年も引き続きご指導と応援をよろしくお願いします。
信州松代みやざき農園
代表 宮﨑康介
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